メールマガジン2024年3月号

2024年10月05日

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◆◇◆ 官澤綜合法律事務所メールマガジン◆◇◆

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2024年3月25日

 

こんにちは、官澤綜合法律事務所です。

3月も下旬になり桜の開花が話題になっています。

今年の開花時期は昨年よりは遅いものの平年よりも早い予想のようです。

春は環境や気温の変化などでストレスを感じやすいそうですから、お花見でリフレッシュしつつ仕事もプライベートも充実させたいですね。

 

さて、メールマガジン2024年3月号をお届けします。

ぜひご一読ください!

 

◆目次◆————————————–

1、法務コラム「定年後再雇用時の労働条件について」  弁護士 浅倉稔雅

2、「ラヂオの時間 」 弁護士 渡邊弘毅

3、4月10日法務セミナー開催のご案内

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■ 【法務コラム】「定年後再雇用時の労働条件について」 弁護士 浅倉稔雅

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1 令和5年7月20日の最高裁判決について

高年齢者の雇用について、令和3年4月1日に施行された改正高年齢者雇用安定法(「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」)により、企業は、65歳までの雇用確保に加えて、70歳までの就業機会確保に努める必要があることになっています。

このような流れの中、今後、定年後再雇用時の労働条件をどのようなものにすべきかの検討がますます重要になってくると思います。

今回のコラムでは、定年後再雇用時の労働条件に関する昨年の名古屋自動車学校(再雇用)事件最高裁判決(最一小判令5.7.20)を御紹介します。

同判決では、定年後再雇用の嘱託職員と正職員との基本給・賞与の相違について、旧労働契約法20条の「不合理」な労働条件の相違といえるかどうかが争点となりました。

定年退職後、嘱託職員として有期雇用された原告らは、定年退職前後でその職務内容及び職務内容・配置の変更範囲に相違が無かったにもかかわらず、基本給が定年退職時から大幅に下げられました(賞与についても判断されていますが、ここでは割愛します。)。

原審判決は、原告らの基本給が定年退職時の基本給の60%を下回る部分は「不合理」な労働条件の相違と判断しました。

しかし、最高裁判決は、原審の判断を破棄して差し戻しとしました。

その理由として、正職員の基本給は勤続給、職務給及び職能給など様々な性質を有する可能性があり、その目的を確定できないこと等を述べた上で、原審判決が正職員と嘱託職員との間で「基本給の金額が異なるという労働条件の相違について、各基本給の性質やこれを支給することとされた目的を十分に踏まえることなく、また、労使交渉に関する事情を適切に考慮しないまま」判断したためであると指摘しています。

 

2 定年後再雇用の労働条件の考え方

最高裁判決は、原審判決を破棄したものの、定年後再雇用において、定年退職時の基本給の何%までの相違であれば、不合理な労働条件の相違にはならずに許容されるのか等の明確な基準は示しませんでした。

なお、原審判決が述べている60%という数値は、高年齢者雇用継続給付金が影響しているとみられますが、高年齢者雇用継続給付は、段階的に縮小されていくといわれており、今後60%が一応の基準になるかどうかも分からないことになります。

企業としては、明確な基準がないため、再雇用時の賃金の定め方が悩ましい点もありますが、正職員と嘱託職員の基本給の性質や目的について整理して労働者の方に分かり易く説明できるようにしつつ、労使交渉の過程(結果だけでなく)も考慮されることを意識して対応することが重要になると思われます。

以上

(弁護士 浅倉稔雅)

 

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■ 「ラヂオの時間 」     弁護士 渡邊弘毅

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突然ですが、皆さんラジオを聞いていますか?

実は私こと渡邊、たまにラジオに出演しているんです。

TBC(東北放送)ラジオで、月曜~木曜の午後にやっている「GoGoはみみこい ラジオな気分」という帯番組があり、その中で第2&第4月曜の14時10分から、「こんにちは法律トーク」という10分程度のコーナーがあります。

仙台弁護士会所属の弁護士が持ち回りで出演し、法律に関する知識やエピソードなどを話す、というコーナーなのですが、私が仙台弁護士会の広報室に所属している関係で、半年に1回くらい出演機会が廻ってきて、出演しています。

以前は八木山にあるスタジオに実際に行って、放送ブース(学校の放送室みたいな感じです)でアナウンサーの皆さんと実際に対面のトークをしていたのですが、コロナ禍以降は基本的に電話出演で、私はいつも当事務所の会議室から出演しています。

ちなみに、生放送一発勝負(リハーサルも無し)なので、基本的にはどの弁護士も事前に原稿を準備しておき、それに沿って話す形式を採っています(たまにアドリブが混じったりするときもあります)。

テーマは局側から指定される場合もありますが、自分で指定することもできます。私はいくつか喋りたいテーマを提案して、局側に選んでもらう形にしています。

私がこれまで喋ったテーマを振り返ってみると「宇宙に法律ってあるの?」「私人による現行犯逮捕」「侮辱罪の厳罰化」「誹謗中傷」等々、という感じです。

没になったテーマで話したいのもいくつかあって、「離婚したいとき、したいと言われたとき」「当番弁護士制度について」「法に歴史ありシリーズ第1弾・刑法編」などが、私の引き出しの中で出番を待っています…。

毎回、昼間のローカルラジオなんて誰も聞いてないだろう、と思って割と好き勝手に喋っているのですが、出演すると意外と「この間ラジオ出てましたよね?」と言われることが多く、冷や汗をかきます。

皆様もご都合が合うときがありましたら、聞いてみてください!

以上

(弁護士 渡邊弘毅)

 

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■ 4月10日法務セミナー開催のご案内

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※開催は終了しました

【セミナー概要】

テーマ:『外国人雇用のポイント~人手不足解消の切り札となるか』

これまで外国人の雇用とは縁がなくても、今後を考えて新規で外国人アルバイトあるいは職員の採用を検討しておられる事業者、あるいはすでに外国人を雇用している事業者それぞれに向けて、現行の入管法ほか関連法令のもとでの注意点・ポイントと、これまで批判の多かった技能実習制度を廃止して新たに導入される、人材確保と人材育成が目的とされる育成就労制度についての情報をアップデートします。

講師:   長尾 浩行(弁護士)

日時:   2024年4月10日(水) 15:00~ 1時間程度

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■ あとがき

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メールマガジン配信担当 総務課のWです。

当事務所のメールマガジンをお読みくださり誠にありがとうございます。

内容はいかがでしたか?

内容についてのお問い合わせやご感想は当事務所までお気軽にお寄せください。

セミナーでじっくり聞いてみたいテーマやメルマガ法務コラムで取り上げてほしい、

ちょっとした法的な疑問などもぜひお知らせください!

 

ここしばらく当事務所のエアコンが故障しておりましたがようやく復活しました。ご来所いただいた皆様にはご不便をおかけいたしました。

太陽の光があたる部屋は暖かいのですが、そうでない部屋は暖まりにくく、太陽の光のありがたみを感じています。

紫外線の問題はありますが、太陽の光を浴びないと免疫力も下がりますし、たまには日光浴でもしながら昼寝をしたいな、と思いつつ今日も仕事に励みます。

 

今月のメルマガは以上です。

次回は4月25日頃配信予定ですのでお楽しみに!

 

「ここに相談にきて良かったと思ってもらえる事務所」をモットーに、

笑顔で迅速かつ良質なサービスを心がけておりますので、

何かお悩みのことがあればお気軽に御相談戴ければと思います。