解決事例
専門医への転医義務違反による賠償が認められた事例
2022年03月14日
依頼の背景
依頼者の息子は,頭痛がひどく近所のかかりつけ医に通院していたが改善しないため,脳外科専門医に診て貰おうと考え,紹介状を書いて貰おうとかかりつけ医のもとを訪れた。そうしたところ,肩こりによる頭痛だから心配ないと言われ,脳外科専門医を受診しなかった。
ところが,2週間後にくも膜下出血で死亡。カルテを取り寄せて検討したところ,くも膜下出血の兆候とされる症状が記載されていたことがわかりました。
当事務所の対応
当該医師に賠償請求の訴訟を提起した。
訴訟においては,当初カルテの記載の意味が争われ,後に記載ミスが主張された。当方は,協力医の助力を得て,様々な医学的知見を得て反論した。
結果について
その結果,カルテの記載がそのとおりであればくも膜下出血の兆候であることは認められたが,結局そのカルテの記載自体は記載ミスであって当該兆候はなかったとされ,しかし,専門医の受診を希望していたにも関わらずその機会を喪失させた点で当該医師の責任が認められ,賠償が認められた。
(弁護士 丸山水穂)