河北新報 週刊オーレ掲載記事

河北新報 週刊オーレ掲載記事「借金・保証と相続放棄」

2017年05月08日

【借金・保証と相続放棄】

Q.会社を経営していた父が亡くなりました。
兄から「借金は責任を持って支払うので、自分がすべて相続することに同意してほしい」と言われています。
同意すれば、私は借金を相続しなくてすみますか?

(相談者)40代・女性

 

A.親が亡くなると、プラスの財産である預貯金や不動産だけでなく、マイナスの財産である借金等の債務も相続することになります。
要注意なのは、親が借りた借金だけでなく、親が友人や会社の保証人になっていた場合の保証債務も相続することです。
そのような債務を相続したくなければ、相続を放棄すればよいのです。
他の相続人が全財産を相続することに同意することも俗に相続放棄と言っていますが、
法律上は法廷相続分に応じた債務は相続していますので、お兄様が約束どおり支払ってくれないと、
あなたもその分の請求を受ける恐れがあります。
正式な相続放棄は家庭裁判所に申述して行うものですが、相続人ではなくなりますので、
借金も保証債務も全く相続しないことになります。
ご心配なら正式な相続放棄をお勧めしますが、その期限は相続人になったことを知ってから3ヶ月以内ですので注意してください。

 

以上